新曲投稿:Shoot the Hearts!!についてのよもやま話
先日ボカロオリジナルの新曲をニコニコにアップしました。
完全な新作はとても久々です。
概要
Shoot the Hearts!!も前回のCrossing Stars同様四つ打ちベースのポップかつトランシーなアニソン風楽曲です。
"アイドルソング"と銘打っていますが、アイドルソングと言うよりは歌詞中の主人公がアイドルの歌です。
ただ、いつもなら普通の女の子がアイドルを目指す歌詞をよく書きがちですが、今回は珍しく既にアイドルとして活躍するおんなのこ目線の歌になっています。
アイドルとしての強い意志が輝きになって、ファンの日々の不安や迷いを撃ち抜くわけですね。だからどうかその手を伸ばしてくれと。私の歌で不安も迷いも悩みもあらゆる一切のネガティブをブチ破って幸せにしてやるよと。
そういったアイドル目線の歌です。
こだわり
- JDピアノ
今回の特筆すべき拘りはまさにコレ、分かる人には分かるアレ…では不親切ですのでちゃんと解説します。JDピアノです。
今回の曲はJDピアノの音色にインスパイアされて生まれたと言っても過言ではありません。
JDピアノとは…
JDシリーズは、ローランドが生産、販売しているデジタルシンセサイザー。
JD-800、990はPCM音源を搭載したデジタルシンセサイザーであり、アナログシンセサイザーのノウハウを応用した音作りが可能な点をセールスポイントにしていた。
(Wikipediaより参照)
ローランド・JDシリーズ - Wikipedia
1991年ローランドより発売されたPCMです。細かいとこはWikipediaに任せるとして、要はJDピアノとはプリセット53番目の所謂小室ピアノです。
最近だと一番印象的なのはやはりfripSideではないでしょうか。
かくいう私も八木沼フォロワーであり、やはりJDピアノそのものを曲中に取り入れたいとはかねがね思っていたわけです。しかしどの再現プリセットや模したソフト音源でもあの音そのもののサウンドは再現出来ず…しゃーなしカチカチに加工したピアノなんかで誤魔化し誤魔化しやっていたわけですが。
そんなある日、Dios(シグナルP)さんがツイッターにてご自身の所有されているJDのピアノを完璧にサンプリングされたものを公開された訳ですね。氏がハード音源マニアなのは存じ上げていたわけですが(ハード名で検索するとよくツイートが引っかかった)
今現在公開されているのかどうかは分かりませんが、Dlしていざ立ち上げたところ、まさしくそこには本物のJDピアノがありました。長年夢見たあの音です。もうテンション究極MAXですよね。
Diosさんホンマありがとう…。
JDピアノの音色ですが、Aメロ2回し目とかが非常に分かりやすいと思います。ツーチャンツチャーツチャーツチャーツチャーンって鳴ってるアレ。またこれが四つ打ちとハイゲインギターと合う訳ですよ。
これからも末永く使っていきたい音色です。
- TB303ベース
はい、出ました。TB303ベース。これも分かる人には分かるアレですが、名前は知らずとも音は聴いたことある!ってなる人が多いと思います。
StH!!でいうとAメロとBメロの繋ぎの部分です。何かデジタルっぽい音ですよね、結構アニソンとかちょっと前の曲で結構聴いたことがあるんじゃないでしょうか。
これも元はローランドのシンセで、TB303という古い機種があるのですが、詳しくはこちら ローランド・TB-303 - Wikipedia
僕もこの音色がめちゃくちゃ大好きで、これの場合はどんなアナログシンセでも似たような事が出来る為、Massiveで自分なりに再現してみました。Massiveは音が作りやすくていいですね。
- PWMリード
PWM(パルスワイズモジュレーション)リードで今回初めて所謂シンセソロを間奏にしてみました。これもMassiveの自作パッチですが、かなりお気に入りです。
程よくポルタメントが掛かっていて、ペダルが気持ちいいですね。またディレイリバーブもかなりウェットな掛け方なので、すごい浮遊感、疾走感があると思います。
今回の曲では、アイドルの輝きが世代を超えて駆け抜けていくイメージを表現しています。その為サイドのギターもあえてスペーシーな感じが出るようフルコードで掻き鳴らしています。間奏2小節目のⅣmM7が絶妙な浮遊感で好きです。
また、リアルタイムでピッチベンドを入力する事でディレイリバーブのリリース感とあいまって宇宙の鳴き声のような質感も出てる気がします。
- ギター(Mayones Duvell Standard)
ギターは6月に購入したマヨネーズのDuvellをやっと実戦投入出来ました。まさに狙った用途にバッチリハマってくれました。ハイゲイン志向のギターは本当に弾いていて気持ちがいいですし楽ですね。
バッキングは所謂fripSide系動きのある16分刻みが主体です。僕の一番得意ジャンルです。
また、今回はサウンドメイクも今までと機材をガラっと変えています。具体的にネタバラシしちゃいましょう。
マヨネーズ(ギター)→Waves GTR STOMP(オーバードライブ用)→Guitar Rig5 Van51(EVH5150モデリングのアンプ)→Nad IR(キャビIR用プラグイン)→NI Solid EQ(中高域ブースト用)
リバーブディレイ等もかなりかけていますが割愛。キモはこの辺です。
いつもはWaves GTRでほぼ完結だったのですが、重心の軽いGTRとタイトで低めなマヨネーズがあまりにも合わず、逆にこれほどタイトならGuitar Rigのルーズさを廃しつつ現代的な歪み感を得られるのでは?と思い試してみたところ、これがズバリ的中。
さらにタイトさと今っぽさを求める為に初めてキャビIRを導入。受け皿のプラグインもIR自体もフリーのものを使用していますが、まぁこれがめちゃくちゃいいのなんの。
確かRed IRという所のフリー公開してるマーシャルの1960だったと思います。コレ本当にオススメで、なんと10種類以上のマイクでIRを録音してあって、さらにそれぞれのマイクで狙いや距離を50パターン以上ぐらいから自由に組み合わせて使えるのです。いやー…これ無料はすごいね。
Nad IR側でキャビが二つ設定できて、所謂オンマイクとオフマイクのブレンドが出来るわけですね。なので、SM57のオンマイク気味のを多めに、オフに何か忘れたけど立体感のあるマイクの物を適用してエア感と立体感を出してみました。
ギターサウンドに関しては当分これでいいやという感じです。
- ギターソロ
なんと間奏が2回も。シンセソロ→Cメロ→ギターソロの流れになっています。
今回のギターソロは、手前味噌ですが人生で一番良いソロが書けたと思っています。音色自体は上で解説しているのとほぼ同じですが、ディレイリバーブでだいぶ調整しています。
僕はギターソロは歌と歌の橋渡しである事、起承転結がキチンとしている事、を常に念頭においてギターソロを作っています。
Cメロのエモーショナルなロングトーンとバトンタッチするようなチョーキングの入りから、少しメロディアスに弾きつつⅥメジャーに向けて一旦6連レガートで駆け上がります。
その後Ⅱm7→Ⅲm7と上っていくのに合わせてペンタトニックでアドリブ感のあるようなギターらしいフレーズで攻めつつ、ずっと使いたかったコンディミをdim上で使ってみました。レガートタッピングで上昇→下降しています。
終盤はこれもまたダメ押しの清涼感のあるⅤsus4のスウィープを決め、その後元のキーに戻りまたスウィープで畳み掛け、ドミナント7thで〆。
歌モノのソロとしては最大限の役割が果たせたのではないでしょうか。
コード進行
今回もコード進行はBメロでそれなりに攻めています。
前回と基本的な発想は似ていますが、あえて全て半音下降にはせず、展開前のトニックに帰結する事でその後の飛躍感を演出しています。
最終的には自然にサビのキーに帰結できたので内心ホッとていますwコード進行においてノンダイアトニックやサブドミナントマイナーを利用して部分的に転調する場合、やはり一番のキモは元のキー、もしくは目的とするキーにたどり着けるかどうかです。
無理に進行で特別感を出そうとして結果ブレイクで無理やり帳尻を合わせたり尺を余分に消費したりカタルシスが得られないと目も当てられません。音楽をやってない人にもなんとなくダサさが伝わります。だからこそ熱く冷静に、インテリジェンスに組み立てていく必要があると思っています。
今回のまとめ
今回はなんだか煩雑な文章になってしまいました。あまりうまくまとまっていません。。。
曲自体はちゃんとまとまっていますので(笑)是非聴いて楽しんでいただければなと思います。
僕の四つ打ちトランス風味アニソンへの拘りが詰まった一曲です!